台湾外相の対米自信、米中会談で試される
林佳龍氏は米台関係の継続に自信を示したが、トランプ・習会談では台湾が最初の取引材料になる公算が大きい。
米台関係の主導権は今、ワシントンが握っている。 だがその主導権は絶対ではない。台湾の林佳龍(林佳龍)外交部長は11日、トランプ大統領と習近平国家主席の会談を前に、米政府は「台湾政策を変えない」と繰り返しているとして、米台関係の安定的な発展に自信を示したと
ロイターが報じた。林氏は、公式・非公式の双方のチャンネルを通じて米台関係は維持されてきたとも述べた。
台湾が恐れているのは「政策転換」ではなく「取引」
この発言の含意は明確だ。台北が恐れているのは、米国が台湾を切り捨てる全面的な方針転換ではない。より現実的なリスクは、トランプ氏が対中首脳会談で、台湾を巡る言い回しや武器供与のペースで“実利の譲歩”を見せることだ。The Guardianは、米国の対台湾「宣言政策」の微修正や、台湾向け武器売却の先送りが、各国同盟国の注視点だと指摘した
The Guardian。この構図は
Global Politicsでよくある話だが、台湾にとっては抽象論ではない。
林氏が安心材料として持ち出した「米政府は政策を変えない」という言葉も、裏返せば、台北がいま必要としているのは“明文化された保証”ではなく“会談での逸脱をしないこと”だということだ。つまり、台湾が欲しいのは新しい政策ではなく、既存の政策を会談で傷つけないことだ。
交渉力は北京が持つが、台湾も無傷ではない
北京側には交渉材料が多い。Reutersは、習・トランプ会談を前に、中国軍が台湾周辺で「連合戦備警巡」と呼ぶ活動を実施し、中国国防省報道官がそれを正当化したと伝えた
ロイター。さらに、米中関係で台湾が「最大のリスク」だと北京が位置づけていることは、ワシントンにとっても交渉の地雷原だとAPは報じている
The Washington Post。
ただし、台湾側も完全な受け身ではない。ロイターによれば、与党・民進党が求めた特別防衛予算は立法院で約3分の2に削られ、米側は不満を示した。これは台北の防衛努力に穴があることを意味し、北京にとっては「台湾は内部で防衛を固め切れていない」という圧力材料になる。逆に言えば、米国が台湾への信頼を保ちたいなら、首脳会談の場で台湾を安売りできない。
次に見るべき点
注目点は1つだ。首脳会談後の米政府発言が、台湾政策の「不変」を本当に維持するか。会談直後に台湾向け武器売却、対台湾の表現、あるいは中国側の「譲歩を得た」という解釈が出るかどうかで、台北の安心感は一気に揺れる。Reuters、The Guardian、AP系報道が示すのは、台湾問題が会談の脇役ではなく、米中の力関係を測る試金石だということだ。台湾側が次に見るべきは会談そのものより、その後24時間のホワイトハウス声明だ。